11月に

  • 2024年11月11日

11月に始めることがあります。
それは年賀状の準備。

最近では年賀状じまいをする人も多いと聞きます。
郵便料金が上がりましたし、SNSなどで新年の挨拶をすればいいからと考える人が、増えているせいでしょうか。

以前はイラストや画像データが入ったCDを購入して、年賀状を作成していました。
時代が進み、作家が自身のHPなどで情報を発信するように。
そういうことが苦手だった私は、HPを用意できずに出遅れていました。
そこでせめて年賀状で、近況を知らせるように。

そのうちに近況の内容に合わせたイラストが、欲しいと思うように。
オリジナルのイラストを1点から注文出来るサイトを見つけたので、依頼してみました。
内容に合わせたイラストが入ることで、年賀状のオリジナリティ度がぐっと上がりました。

これをしばらく続けていたら・・・「桂さんからの年賀状を楽しみにしているんですよ」などと言われるように。

やがてHPを用意し、ブログも開始して近況を発信する手段をもったので、もう年賀状で近況を知らせなくてもいい状態に。

でも言われる。
「毎年楽しみにしているんですよ」と。

期待には応えなくてはと思ってしまう性質の私。
でもオリジナルで作ろうとすると、そこそこ手間が掛かる。
どうしよっかなぁ。
今回はイラストと文章がすでに印刷されている定番のハガキを買って、それで済ませちゃおうかなぁと、毎年一度は考えます。
が、オリジナリティを失くすというのが、どうもなぁと思ってしまう。

結局、これまで通りのものにすることを決断。
近況を書き、その内容に合ったイラストの作成を発注します。

こうして20年ぐらい、オリジナルの年賀状作りをしてきました。
気が付いたら、年賀状を大切にしている派になっていました。

  • 2024年11月07日

食にまつわる情報が溢れています。
メディアでもネットの世界でも。
飲食店情報や新商品情報、作り方は勿論、他人の冷蔵庫の中身を覗き見たり、食材の価格についての情報だったり、生産者のインタビューなどなど、とにかくたくさん溢れています。
そんなに皆、食べることが好きなのかなぁと思ってしまうほどの情報量。

辟易しそうなはずなのに、つい、時短節約レシピの動画を見ている私。
私も興味があるようです。

新刊「地獄の底で見たものは」にも食がらみの話が出てきます。
登場人物の一人、足立英子は料理好きの夫から、今日の晩御飯のメニューを知らせる連絡がスマホに入った時、この人と再婚して良かったとつくづく思います。

料理好きな夫とは、曜日によって夕食造りを分担しているのです。
嫌なことがあった時、とても疲れている時、どんな時でも妻が夕食を作ることになっている家は多いでしょう。
英子の家のように分担制であったなら、どれほど助かるか。

そして英子の娘、美有紀はそんな両親を見て育ったため、食事について一つの考えをもっています。
それをクリアした男性との結婚を決めます。
食はやはり生活の、そして人生の中心なのかも。

A子は最近、夫とフードフェスタ巡りをするようになったと言います。
なにを選ぶのかは、それぞれ。
各自行列に並んだりして買い集め、会場に置かれたテーブルに広げて、その場で食べるという。

「これ、美味しい」とか、「こういうの、初めて食べた」などと言い合いながらの食事。
普段自宅ではもう話すことなんてなくて、いつも食卓はシーンとしているそうなのですが、この場では「美味しい」とか、「ビールが進む」なんて他愛もない単語が飛び交い、それだけで十分だなと思えるのだそう。

自分の幸せに気付けるのも食がきっかけ。
食の力は凄いようです。

二地域居住

  • 2024年11月04日

二地域居住が関心を呼んでいるという。
この二地域居住とは、都会と田舎など、二つの離れた住まいを行ったり来たりして暮らすというもの。

国土交通省が2022年に、18歳以上の約12万人に行ったアンケートでは、3割弱の人が二地域居住に関心があると答えたらしい。

そんなに多くの人が関心を寄せているとは。
この記事を読むまでごく稀なケースと認識していましたが、違ったようです。

子どもを自然の中で育てたいとか、会社員生活を終えたのでセカンドライフは自然に囲まれて暮らしたいが、都心での活動も引き続き行いたいとか、そういう人たちにとって、魅力的なのでしょうかね。

私はというと、ネガティブなことばかりが頭に浮かんでくるので、やってみたいとは思いません。
作家の中には、住まいと執筆する場所を分けている人がいます。
これもある意味、拠点が二ヵ所。

が、これを検討したことはありません。
拠点が二ヵ所となると、掃除する場所が二ヵ所になる。
これが大問題。
一ヵ所を掃除をするのだって嫌々やっているのに、二ヵ所の掃除をしなくちゃいけないとなったら、ぐれそうです。

そんなものテキトーでいいじゃないか、というツッコミがあろうかと思いますが、私はアレルギー体質で慢性副鼻腔炎が持病になっているため、掃除はやりたくないけれど、やらないといけないこと。
サボると、たちまち呼吸が苦しくなったりします。

いい空気清浄を買ったらとアドバイスされて、様々なものにトライしてきましたが、空気が動くせいか却って体調は悪くなるばかり。
それで毎日二度、拭き掃除をしています。
これが二ヵ所になるとしたら・・・考えずとも無理との答えが出ます。
私の拠点は一ヵ所でいい。

これまで何回か引っ越しをしてきましたが、今の住まいが一番気に入っています。
駅まで近いし、生活に必要なものが揃う商店街があり、病院もたくさんあるので。

初めて一人暮らしをした時の部屋は狭かった。
今振り返ってみても、よくあのスペースで生活出来ていたよなと感心するぐらい。

次に引っ越したのは、それまでの倍ぐらいの広さの部屋でした。
それでも世間の基準でいえば十分狭いのですが、それまであまりに小さな部屋で暮らしていたため、広いなぁと嬉しくなる一方で、落ち着かない気がしたものでした。

新刊「地獄の底で見たものは」に登場する伊藤由美は53歳で、一人暮らしを始めることに。
53歳で辿り着いた小さな部屋を眺め、なんともいえない気分になります。
そんな暮らしに陥った由美は、そこで燻り続けるのか。
それとも・・・。
興味をもたれた方は本書を手にお取りください。

どんな職場にも

  • 2024年10月31日

どんな職場にも嫌なヤツはいる。
そう確信しました。

新刊「地獄の底で見たものは」を読んだ知り合いらが、感想をメールで送ってくれます。
感想は人それぞれ。
当たり前です。
なにを感じるのかは人それぞれですからね。

とはいうものの、感想の中に共通するコメントがあることも。
この「地獄の底で見たものは」を読んだ知り合いらのメールには、結構な頻度で「うちの職場にも内田がいる」というコメントが書いてありました。

内田というのは、登場人物の一人、足立英子の上司となる人物。
こいつは社長に対してのみ誠実であろうとするタイプ。
ゴマすりだけで出世してきた男。
どうやら、こういう人は多数の職場に生息しているようです。

私が会社員になったばかりの頃は、こういう人物を見ると物珍しさに興味を惹かれました。
フリーランスのライターになって、こうした人の生態を見る機会もなくなるだろうと思っていたのですが、そうはいかないと知りました。

取材現場にはライターとカメラマンの2人で行きます。
互いにフリーランス同士。
カメラマンの車で、一日に何件も取材先を回ります。
この移動中の車内で、編集者の悪口を並べ立てるカメラマンが多かった。

「編集者の仕事の段取りが悪いのは、頭が悪いからだ」「こっちのギャラは信じられないほど安いのに、エアコンの効いたオフィスで、のんべんだらりとしているあっちの年収は〇円って、世の中おかしい」などなど。

ところが、たまーに編集者が現場にやって来ることが。
そんな時にカメラマンは「お疲れ様です」と挨拶をし、「〇さんに現場に来て貰えると、仕事がスムーズに進んで助かります。さすがですね」などと、しれっと言う。

お前は多重人格者か、と言いたくなるほどの態度の急変。
普段は面倒臭そうに写真を撮って、さっさと終わりにする癖に、そういう時は「チェックお願いします」などと編集者に言い、意見を出されると「なるほど」などと真剣な表情を浮かべて、仕事熱心なキャラを演じる。

絶対に友達になれない嫌なヤツではありますが、こういう人が仕事を貰えて、生存競争が激しいフリーランス界で、生き残っていけるんだろうなと思ったものでした。

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