コンビニでミネラルウォーターを選ぶ。
これは相当に久しぶりのことでした。
普段は水道水をポット型の浄水器に注ぎ、濾過されたものを飲んでいました。
訳あって冷蔵庫を手放した途端、水をどうする問題に直面することに。
ポット型の浄水器の取説によれば、必ず冷蔵庫で保管するようにと書かれていて、そこにはアンダーラインまで引かれていました。
冷蔵庫での保管が出来ない私は、これを使用出来なくなりました。
そこでコンビニに行き、ミネラルウォーターを買うことに。
と、飲料が陳列されているガラス扉の前で固まる。
どのサイズのものを買うべきなのか。
私は1日どれくらいの量の水を飲むのか。
2リットルサイズのものを、買えばいいじゃないよと思うかもしれませんが、どこぞでペットボトルの飲料は1度開栓したら、その日のうちに飲み切り、翌日に持ち越さない方がいいと聞いた気がする。
確か衛生上の理由で。
ということは、2リットルを飲み切れるならばいいですが、小さいサイズのものを、複数本用意しておいた方が良さそうな・・・。
そこで500ミリリットルのミネラルウォーターを、4本籠に入れる。
が、重さに耐えられず1本を棚に戻す。
お弁当も買って帰宅。
そうして1日を過ごしてみたら、私は500ミリリットルのミネラルウォーターを、3本消費すると判明。
正確にいうと、2本半ぐらいで1.25リットル程度。
この量はどうなんでしょう。
身体に適切な量なんでしょうか。
友人A子は2リットルの下剤を、2時間のうちに飲み切らないといけなかった時、辛くて病院から逃げようと本気で考えたと言っていました。
液体であってもどんどん喉に流し込めるといったことはなく、しんどくて身体が拒否反応を示すのか、喉がどんどん狭くなっていくような感覚だったそうです。
その時、患者の控え室には、検査を受けるため同じように、下剤を飲むよう言われていた高齢の女性がいたんだとか。
その女性は「もう飲めない」と看護師に訴えたそう。
看護師に「飲んで貰うしかありません」とピシャリと言われると、シクシクと泣き出したといいます。
そこにいた患者全員が「わかるわぁ、その気持ち」と思っていたと確信していると、教えてくれました。
私はそのような試練を未だ経験したことはないのですが、その辛さは理解できます。
1日かけて1.25リットル程度の水を飲むペースの私が、2リットルの下剤を2時間で飲み切るのは、やっぱりどう考えても難しそうですから。
自宅近くのスーパー。
その前を通りかかる度に、今度入ろうと思い続けて15年。
これまで一度も入店する機会がありませんでした。
あー、今日は荷物が重いから、これ以上重くなったら無理だから、今度にしようと思ってしまうのです。
そんなことを繰り返しているうちに15年が経ったことに、我ながらびっくり。
そしてついにその店へ。
そこはマンションの1階にあり、ガラス製の壁越しに、コンビニ程度の広さだというのはわかっていました。
どんな品揃えなのかと期待で胸は弾みます。
気持ちが急いていたのか、足元に注意を払わず、入り口の段差で躓きそうになるも「なんでもありませんけど、なにか?」といった澄まし顔で入店。
消毒液が入っているボトルを探しましたが、そうした物の姿はなく、コロナ対策は甘い店のようです。
入り口に一番近い棚には果物。
これは広いスーパーでも、コンパクトなスーパーでも一緒なんですね。
通路の右に目を向けたら豆腐と納豆が並んでいて、思わず足を止める。
そうか、もう豆腐コーナーが登場するのか。
かなり端折らないと、このスペースに商品が収まらないんでしょうね。
そして果物の棚の隣に目を向けて、ぎょっとする。
そこは鮮魚と精肉の棚。
30センチぐらいの幅に、鮮魚と精肉が収まっていました。
もう魚と肉が登場してくるのか・・・。
映画を早送りで観ているような感覚。
展開の速さに気持ちが付いていかない。
今日は鮭祭りと鶏肉祭りが開催中なのか、鮭と鶏肉ばかりが並んでいる。
挽き肉はなし。
やはりどこかで諦める潔さが、必要になるんでしょうね。
鮮魚と精肉の隣の棚に目を向けると・・・でーんと惣菜がたくさん並んでいる。
総菜の棚は、果物と鮮魚と精肉の棚を合わせた長さの2倍ほどある。
ここなんですね、この店の売り上げの中心は。
サラダ、唐揚げ、玉子焼き、寿司・・・種類が豊富。
次にその棚の裏に回ってみる。
と、スナック菓子がずらっと並んでいました。
あ、こっちか。
こっちが店の主役だったのと理解しました。
限られたスペースでのスーパーの品揃えと陳列は、大型店とは違って、なかなか面白いものがありました。
その店の周囲に住んでいる人たちの生活スタイルを、垣間見せて貰った気がしました。
A子はとても肌が綺麗。
エステに頻繁に通い、その美肌を長年キープしてきました。
久しぶりにオンラインでお喋りすることになって、スマホ画面を覗いたら・・・その小さな画でもわかるA子の肌の荒れ具合。
A子はマスクが原因だと言いました。
当初は乾燥せずに済むから、肌にいいのではと考えていたそうですが、想像以上に蒸れた。
更に摩擦によって刺激を受けた肌のコンデションは最悪に。
元々研究熱心な性質であるA子は、独学で勉強。
とはいうものの、世間には「肌にいい」「美肌になる」的な情報は五万とある。
その中から真実を見つけるのは難しいし、また自分に合った方法を見つけるのはもっと困難。
これぞと思ったものを試したそうですが、良くなるどころか悪化していく。
元々美肌自慢だっただけに、その状態に耐えられない。
やがて皮膚科を転々とするように。
飲み薬、塗り薬、点滴・・・どれも効かない。
もうどうしたらいいんだかと、ため息を吐いていました。
そのオンラインでの会合から3ヵ月経った頃、A子からメールが。
すっかり元気そうな文面だったので、肌の状態が改善したのかと問うと「そうなのよ」との返信がありました。
なんでも年に一度の胃カメラ検査を受診したら・・・胃が荒れているからと、漢方薬を処方されたそうです。
肌のことは気にしていたA子ですが、胃の不調に自覚はゼロ。
漢方薬を買わされることになったし、勿体ないから飲んでおくかといった程度の気持ちで、服薬を始めたそうです。
しばらくして肌が少しずつ回復していくのに気付いたんだとか。
赤味が薄くなり吹き出物の数も減っていく。
胃か? 胃だったのか?
A子はあれこれ試すのを止め、胃の状態を改善する漢方薬を飲むだけにしたそう。
そして2週間ほどで、目出度く肌は元の状態に戻ったんだそうです。
A子の場合は胃の不調が原因の肌荒れだったようです。
それからどうなったかというと・・・今回の一件でA子は食に目覚めたようです。
元々凝り性のA子。
胃に負担を掛けない、身体にいい食事の勉強を始めました。
そして身体に優しい食事を作るように。
夫からは「最近の食事にはパンチがない」などと不満の声が上がっているようですが、「あなたの健康のためよ」のひと言で黙らせているそうです。
美肌は一日にしてならず。
と、どこかの雑誌に書いてありました。
その通りのようですね。
犬や猫に関する支出額が増えているんだとか。
在宅が増えてペットと一緒にいる時間も増加したのが理由だと、新聞に書いてありました。
これ、なんとなくわかりますね。
在宅で仕事をしていれば、ペットは喜び「遊ぼ」と誘ってくる。
でも仕事中だからそうはいかない。
そしてこんな事情をペットが理解してくれる訳もない。
構ってあげられない罪悪感もあったりする。
そこでついいつもより高額のオヤツや、新しいオモチャを買ってしまうのではないかと想像します。
A子は犬と猫と暮らしています。
そして言います。
なんであんなに犬はボールを追い求めるのかと。
ほぼ毎日犬が自らボールをくわえて、A子のところにやって来るといいます。
ボール遊びをしようよというのです。
しょうがないので、A子は廊下の先へボールを放ります。
すると犬は大喜びでボールを追います。
そしてボールをくわえると、猛ダッシュでA子の元に戻って来る。
これを飽きることなく繰り返す。
その様子を猫は冷ややかな目で見ているといいます。
「あー、またやってる。よく飽きないわね、そんなくだらない遊びを」と言っているような顔で。
猫の運動不足が気になっていたA子。
試しにボールを猫の足元に転がしてみたとか。
すると「ふん」といった表情をしただけで、毛繕いを始めてしまったそう。
猫じゃらしは好きなのに、何故球体の動きには興味をもたないのか。
不思議ですよね。
猫がスルーしたので、犬がその足元のボールを取りに近付いたら・・・なんと猫が犬にパンチ。
びっくりした犬は後退り、部屋の隅で丸くなってしまったそうです。
猫よ。
なにがしたい?
ボール遊びに興味はないが、今のボールの所有権は自分にあるという主張でしょうか?
結局、猫からパンチを浴びた犬を可哀想に思ったA子は、いつもより高額のオヤツをあげたんだとか。
それを猫がじっとりとした目で見つめていたので、また犬に意地悪をしないようにと、猫にも特別なオヤツをあげたといいます。
こんな風に円満に暮らすために、ペットへの支出額を増やすA子のようなパターンもあるんですね。