カーナビ

  • 2015年03月09日

タクシーにカーナビが付いているのは当たり前。
といった状態になりましたね。
カーナビを導入しているタクシーの率は、100%といってもいいのではないでしょうか。
kiironotakusi-
ちょっと前なら「〇〇の裏に行きたいので、△△通りを行ってください」なんて言っていたのに、今では「□□区××町◆―◎―☆までお願いします」と住所を伝えればOK。
なんて楽チンなんでしょう。
が、指定した場所の前まで連れて行ってくれるかというと、そうはいかない。
やがて、カーナビから聞こえてくるのです。
「この近くです」
というアナウンスが。
そりゃあそうだろう。近いんだろうさ。だからって、後はあんたらで探せよって態度はどうかと思うんですが。
そのうち運転手さんが「このあたりのようなんですが」と言ってくる。
「それ、カーナビから今、聞いたから」と、こっちはツッコミたいところです。
何度か行ったところなら、その道の先だな、でも車は入れないから、ここで降りようなんて判断ができますが、初めての場所だとどうしたらいいのかわからない。
運転手さんは明らかに、とっとと私を降ろしたがっています。
が、私は降りたくない。
変なところで降りてしまえば、その辺りを彷徨うはめになるのは目に見えている。
だからその場所がわかるまでは、梃でも降りてやらないぞぐらいの意気込みです。

カーナビが登場してどれくらいになるのでしょう。
結構な時間があったと思うのですが、その間、この最後のツメの甘さがまったく解消されていないってのはどうしてなんでしょう。
最後の精度を上げるのは、そんなに難しいのでしょうか?

新刊「僕とおじさんの朝ごはん」には、方向音痴の女性が登場します。
おじさんの母親が、地図を読めないタイプの人なのです。
タクシーに乗り、夫と息子が待つ店へ向かうのですが、運転手さんにこの辺りだと言われてしまいます。
が、初めて行く店なので、どこだかわかりません。
ですが、私とは違って「この母親はぐるりと一周してみるわ」と言って、すぐにタクシーを降ります。
迷うこと自体を楽しめる人なのです。
これに対して夫は、目的地には最短時間で到着しようとするタイプ。
そして何度教えても地図を読めるようにならない嫁を不思議がります。
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登場シーンが多くない脇役を描く時、どういうエピソードを選ぶかがキモになります。
あまり特異なエピソードではなく、日常生活の中での出来事で、その人物を表現できるような場面を模索します。
身近なシーンであればあるほど、登場人物が立体的になるように思うからです。
この「僕とおじさんの朝ごはん」で、この作戦は成功しているでしょうか?
興味をもたれた方は、ご一読を。

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