音楽の力を借りて

  • 2015年10月01日

小説を執筆中、いつも同じ音楽を聴くようにしています。
音楽に反応して、すぐに物語の世界に入れるようにするためです。
これをパブロフの犬作戦と呼んでいます。

まず、ざっくりとした小説の構想があります。
これにフィットする音楽を探します。
テーマ音楽が決まったら、それを聴きながらプロットを立てます。
そして執筆中ずっと同じ音楽をエンドレス設定にして聞き続けます。
毎日何時間も。
これが半年以上に亘ります。
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新刊「ワクチンX 性格変更、承ります。」のテーマ音楽は「ショパンの人気曲ランキングTOP50」というアルバムでした。
これには「ノクターン」や「別れの曲」などの名曲が50曲詰まっています。
しっとりとしていて、柔らかさと強さが同居しているような音楽の力を借りて、小説を書き上げることができました。
ここはひとつ、ショパンに感謝です。
syopann
時に、書いているうちに、小説の雰囲気と音楽が合わなくなることがあります。
違和感を覚えながらもしばらくは書き続けるのですが、段々苦しさに耐えられなくなっていきます。
そこで新たに音楽を探し、テーマ音楽を変更することも。
これ、結構勇気がいることなんです。

稀に先に音楽が決まる時もあります。
平井堅さんのアルバムを購入し、初めて聞いた時のことです。
「あぁ、こういう雰囲気の小説を書きたい」と思いました。
温かいのだけれど、奥の方で泣いているような感じ。
音楽が横にあって、力を借りるというのではなく、音楽が先にあって、そこに小説で近づいていくといったやり方です。
これで生まれたのが「ボーイズ・ビー」という作品です。
半年近く毎日何時間も聴き続けたので、マネージャーさんよりも私の方が聴いているんじゃないかと思っているんですが、どうでしょう。

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