長編と短編

  • 2016年04月07日

小説には長編と短編があります。
なにが違うかといえば、言葉通りその長さです。
私は長編専門です。
たまに「短編を書いてみませんか?」とお話を頂戴します。
そんな時には「長編と短編では使う筋肉が違うので、私には短編は書けません」と申し上げお断りします。
「そうは言わずにトライしてみては」と仰る方には、「マラソン選手なのに、同じ陸上競技だから、100m走もやってみたらどうですかと言われているぐらいムチャに感じます」と答えます。
すると「両方お書きになる作家も多いですよ」と言う編集者も。
そういう時は・・・黙ってテーブルの1点を見つめてじっとしている。
そのうちに編集者はじわじわとダメなんだなということを理解してくれて、「それじゃ、長編で」と妥協してくれます。
そうなったらこっちのもの。
「はい。頑張りますっ」と大きな声で宣言する、というのがいつものパターンです。
tyouhenn
長編と短編では書き方がまったく違うのだろうと思います。
書いたことがないので、あくまで推測なのですが。
また楽しみ方も長編と短編では違いますね。
読者としてはどちらも読みますし、どちらも好きです。
長編では登場人物たちの変化や成長をゆっくりと味わえるのがいいですし、短編では1シーンに凝縮された喜怒哀楽が、とても身近に感じられるのがいいですよね。

同じように連続テレビドラマと映画の楽しみ方にも違いがありますね。
連続テレビドラマの場合、トータルの時間はかなり長くなりますから、登場人物に寄り添っている時間も長くなり、小説でいえば長編の楽しみ方に近い感じでしょうか。
一方の映画は、一気に気持ちを作品の中に入っていける没入感が強く、これは短編の味わい方に近いように思います。
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NHKBSプレミアムドラマ「嫌な女」が最終話を迎えます。
4月10日(日)午後10時からが第6回の最終回となります。
連続のテレビドラマでしたから、変わっていく徹子と、変わらない夏子に寄り添う時間が長くなり、これによって深く作品を堪能していただいていたならば、とても嬉しいのですが。
俳優の皆さんをはじめ、多くのスタッフさんたちによって、丁寧に真摯に作られた作品です。
どうぞ最終回をお見逃しなく。

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