友人の新しい趣味

  • 2017年02月02日

友人と温泉旅行に。
宿の近くをぶらぶらと散策。
友人は時折立ち止まって景色を眺めます。
これが、ちと長い。
こんなに自然が好きな子だったっけ? となんだか違和感を覚えましたが、年を重ねるうちに好きなものは変化していくものなので、そういうことかなと自分を納得させました。

この友人、風景写真をたくさん撮る。
撮っちゃあスマホを弄るの繰り返し。
SNSでどこかに発信してるのかなと思っていました。

風呂上りに部屋でごろごろしていると・・・友人が指を折ってなにかを数えている。
ん?
そういうことか。
「もしかして俳句やってる?」と尋ねると、友人は驚いた顔をしました。
私が友人を真似て指を折る仕草をすると、彼女は照れた表情を浮かべました。

俳句をする人は時々指を折って、言葉の数を数えるもんです。
急に自然を愛し始めた様子も、俳句を作ろうとしているのなら納得の行動。
haiku
知人に誘われて俳句を始めたら、すっかりはまってしまったと彼女は言いました。
それまで目を向けて来なかった自然の変化に敏感になり、そうすると一日一日がとても大切で素晴らしいことに気が付くようになったそうです。

へぇなんて軽く相槌を打っていたら「一緒にやってみない?」と誘われてしまいました。
言葉で表現するのが作家の本分なんだから、俳句もすぐに上達するんじゃない? と友人は言います。
なにを言い出すやら。
全然ジャンルが違う。
たとえるならバスケットボールの選手に、同じ球技なんだから野球だってできるよね? と言ってるようなもの。
これぐらい無茶苦茶なことを友人は言っている。
「いやいやいや、全然違うから」と私は説明し、断固拒否。
友人は理解したんだか、しないんだかわかりませんが「俳句って楽しいよ~」を連発。
思い付いた言葉を忘れないようスマホの中に書き留めておくんだとか。
季節の変化は勿論心の変化にも敏感になり、それが自分を見つめることになり、他人への思い遣りが生まれる・・・とかなんとか、俳句の素晴らしさを謳い上げていました。

その友人は若い頃「春の次って夏だっけ?」と発言したことがありましたし、合コンで「あなたの隣はヤダ」と面と向かって言い放ったことがありました。
これは自分の心には正直だけど、他人の気持ちには鈍感だというのを表すたくさんのエピソードの中の一つです。

その人物が年を重ねて、季節の変化や心の変化などと言い出すようになろうとは・・・。
そうした一切合財を忘れて、彼女の俳句生活を応援してあげるべきなんですよね、きっと。
そうします。
頑張れ。

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