ペット

  • 2017年03月06日

昔々猫を飼っていたそうです。
そうですと伝聞形にするほど、まだ私が幼い頃の話です。
唯一覚えているのはその猫の重さ。
私が寝ていると、何故か猫はその掛け布団に上りたがった。
そして私の掛け布団の上でくつろぐのです。
幼い私は「お、重い」と苦しみを感じながら起きる。
すると猫と目が合う。
こうした記憶が残っています。

元々は家にいたネズミを捕って貰おうと買い始めたらしいのですが、いざ対面すると、猫の方が逃げ出したという逸話を残しています。

小学生から中学生にかけて、インコを飼っていました。
雛から育てたのですっかり懐いていて、自宅内で放し飼い状態でした。
ペン先が好きで茶の間で字を書いていると、そのペン先を執拗に追いかけてきました。
すっかり邪魔をされて字が書けないぐらい。
なにか書きたい時は、インコを籠に入れてからにするか、手でペン先を隠すかのどちらかにするしかありませんでした。

ペン先がなんといっても一番でしたが、傾向として光る物が好きだったのかもしれません。
飴の包み紙も好きでした。
裏の銀色の部分がお気に召したようで、渡すと狂喜乱舞。
その銀色の包み紙の上でダンスダンス。
自分が包み紙に載っているのに端を引っ張るもんだから、足元が不安定になり、ずるっと滑ってコケるという一羽コントを披露してくれました。

そのインコが風邪を引いたことがありました。
クシュンと人間と同じようなくしゃみを繰り返すので、もしかしてと病院に連れて行ったら、風邪薬をくれました。
それが粉薬でどうやら苦い模様。
粉薬を溶かした水を飲もうとしない。
しょうがないので、首根っこを摑み水入れに嘴を付けるのですが、羽をバタバタさせて必死で抵抗してくる。
そうしている間にもクシュンを連発している。

どうしたらいいのかと考えました。
これはやはり、好きな物に夢中になっている時しかないだろうとの結論に。
テーブルに銀色の包み紙を置き、インコを呼び寄せます。
早速インコは喜び包み紙の上でダンスダンス。
そこへ銀色のスプーンを差し出します。
そこには粉薬を溶かした水が載っています。
光ってる物が2つも出てきた興奮からか、喜んでスプーンをつつき出しました。
が、苦みに気付いて体を固まらせる。
ここでただの水を乗せたスプーンを反対方向から差し出す。
用心したインコが後ずさりする。
でも強引に嘴に近づけると、恐々とながらもつつき出す。
なんだ、ただの水かと安心して飲む。
油断したところで、粉薬を溶かした水を載せた方のスプーンをもう一度差し出すと、インコはごくんとそれを飲んでしまう。
あっという顔をするインコ。
私は銀色の包み紙を少し引っ張り、ほら、あなたは今幸せの真っただ中にいるのだよと思い出させてあげる。
するとインコは、そうだったそうだったとダンスを再開する。
これを繰り返して、なんとか風邪薬を飲ませることに成功。
2、3日後にはくしゃみをしなくなりました。
インコとの薬飲ませ対決は、私の勝利で終わったのでした。

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