湯たんぽへの愛

  • 2017年11月09日

朝晩冷えてきましたね。
すでに湯たんぽに登場いただいておりまして、まったく問題なく毎日眠りにつくことができています。
湯たんぽへの愛を語り出したらキリがないので割愛しますが、もうこれなしには生きていけないのは確かだと申し上げておきましょう。
以前は電気アンカを利用していましたが、足の冷えが取れるまで結構な時間が掛かりました。
それは寝付くまでに時間が掛かったということでもあります。

大学生の頃友人たちと貸し別荘へ。
場所はどこだったのかまったく覚えていません。
皆で料理を作って、それを食べて、飲んで、楽しく夜を過ごしていました。
部屋を出てトイレに行った時のこと。
すっごく寒い。
部屋の中はエアコンによって暖かくなっていたので、周囲の実際の状況がわかっていなかった。
エアコンなしの場所が、これだけ冷えているという事実にちょっとビビる。
この地はとても冷えるらしいぞとこの時点で気付く。
深夜から早朝にかけての寒さはとんでもないかもしれない。
出発前にそうしたことを考慮しなかった私は、フツーの靴下しか持って来ていない。
貸し別荘に電気アンカがあろうはずもない。

騒ぎ疲れた私たちがもう寝ようという結論に達したのは、午前2時。
エアコンを付けたままにしたい派と、寝る時には消すでしょ派の2つに分かれて「おやすみなさい」。
私は当然エアコンを付けたままにしたい派の部屋。
が、エアコンは部屋の温度を温めてくるもの。
私の足先を温めてはくれない。
靴下を履いていても足先が冷えていて眠れない。
睡魔よ来いと念じているうちに、部屋には朝の陽が差し込み始める。
結局一睡も出来ないまま身体を起こす。
友人たちを起こさないようそっとカーテンを横に滑らすと・・・柔らかな陽を浴びた山が。
神々しく輝く山の美しさに息を呑みました。
一睡もしていないため頭の奥の方がちょっと重くて、身体もだるい。
そんな状態であっても心は正常に動いていて、美しいと感じられるもんなんだなと思ったことを覚えています。

文庫「僕とおじさんの朝ごはん」では、男が一人山を眺めるシーンがあります。
その山にはいわくがあり男は複雑な思いで眺めます。
男が眺めているその山は、以前私がカーテンの隙間から見た山の姿と近しい。
男と私では眺めた時間帯が違うので、陽の浴び方は同じではありませんが、その稜線は似ている・・・執筆しながら頭に描く景色が、どこを経由して生まれたものなのか、突然わかる。
こんなことがたまにあります。

えっ?
湯たんぽの話はどうなったかって?
今、もし山間部の貸し別荘に泊まる羽目に陥ったら、私は愛用の湯たんぽを持ち込みます。
「一睡もできなかったのぉ」なんて笑って話せるのは若いうちの時だけ。
今なら何日も体調不良に陥ること必至なんですから。

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