引退

  • 2023年09月04日

今夏はスポーツがてんこ盛り。
選手たちの活躍に声援を送る日が続いています。

その試合に立つまでには、すべての選手に紆余曲折があったはず。
そしてようやくそこに辿り着いた。
その気持ちや如何ばかりか。

中にはその試合を最後と考えている選手もいるでしょう。
優勝して、引退の寂しさを超える喜びを得られることもあるでしょうが、そう上手くはいかないもの。

負けて試合終了。
同時に選手生活も終了となるケースは多い。
こんな時に選手の胸に去来するのは、もっと出来たはずという後悔でしょうか。
それともやり切ったという満足感でしょうか。

引退はスポーツ選手だけでなく、多くの人に訪れるもの。
会社員が定年になるとか、事業を畳む決断をしたとか、次の人に事業を譲ることにしたとか。

生涯現役の人もいるでしょうが、そうはならないケースも多い。
数年後に自分の引退時期が来ると悟った時、引退後の世界を楽しそうだと思える人は、どれくらいいるのでしょう。

私はそもそも、引退時期がはっきりしていない作家という職業なので、引退についてはほとんど考えないのですが、友人たちの中にはとても真剣に引退後を想像し、どうしようかと悩んでいる人がいます。

会社員のA子は、定年後のことを決めかねているそうです。
引退するか、再雇用して貰うか、全く別の仕事を探すか、それとも働くのは止めて、ボランティアなどの社会貢献をするか、趣味三昧の日々を送るか・・・迷っているそうです。
また自分だけでなく夫が引退した場合、24時間自宅で二人だけで過ごすことになると考えると、不安しかないとも言っていました。

もしこれまでとは違う世界に自分の居場所を見つけられたなら、引退後も楽しそう。
小説「たそがれダンサーズ」では、すでに引退して居場所を探している人、会社員生活のゴールテープが見えて、それから先をどうしようかと焦っている人、後継者へのバトンタッチに、不満をもっている人などが登場します。
引退した後のことで迷っている人たちに、ぜひ読んで頂きたい作品です。

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